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    To enjoy life (旧補聴器ブログ)

    これまで学んだ補聴器の知識と、これから学び遊ぶ色々を発信する場として。更新頻度は低いですが、基本誰かのためになるブログにしていきます。

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    補聴器と集音器の違いとは?|事例検証

    インターネットで補聴器集音器の違いを検索してみますと、

    「補聴器は医療機器」
    「集音器は出力制限がついていない」
    などの集音器との差別化する言葉がでてきます。

    まぁ実際私も全ての集音器を見たわけではないので何とも言えないところではありますが、
    リオネットセンター栄に持ち込まれた集音器と、そのお困りの声で判断すると確かに上記の内容に繋がってきます。
    ツイッター上でも集音器について肯定的な意見が少ないのも見ていて伝わってきます。が、なぜ良くないと言われているのでしょうか?


    実際、集音器には出力される最大音が大きく安全性に問題があるものや、音の増幅能力が小さく効果を得られないものまで様々な機種が存在しております。
    (詳細はこちらをクリック⇒通販の集音器、助聴器、補聴器等の安全性及び補聴効果



    それにもかかわらず集音器が売れる理由とは?!


    価格が補聴器に比べ安いことが理由ですよね。全く同じ性能で安いのであればもちろん私もそちらを選びますが、その価格差には理由があります。

    もう一つ、ポイントとなるのが、規制のない広告文。

    補聴器は医療機器であり、本来広告が許されないところを独自の規制を設けることによりお客様へのPRが可能となっているのです。(過大広告の禁止や性能以上の間違った期待や情報を与えないように規制)
    ですので、目で見える範囲(広告上)では、言葉巧みに集音器のほうが良く聞こえそうでより安いという印象を与えているのかなと感じています。


    今回は「集音器」と「補聴器」の違い、すなわち価格差分の理由を明確にすることで、より良い判断材料を提供できるのかなと考えております。


    せっかく補聴器専門店で働いているわけですから店内にある音の測定器を使って、『補聴器の音』と『集音器の音』の違い、を目でご確認いただきましょう。
    集音器に限らず、補聴器でお困りの方も、毎回まずはこの「音の測定器(補聴器特性試験装置)」で持参された機器を測定し、「お客様がお困りの原因は何なのか?」 を分析しご説明しているのです。これも専門店の設備ならではですね。

    補聴器周波数特性検査装置




    これからリオネットセンター栄店の事例をもとにご案内します。



    「集音器を購入したがボリュームを大きくするとやかましくて使えない。
    ところがボリュームを下げると快適にはなるが音は小さく聞き取れない。
    補聴器だとどうなるのか?試してみたい。」

    といった訴えのお客様がご来店されました。



    まず集音器からどのような音が出ているのか?音の測定器にかけ出力音をグラフ化しました。

    縦軸(出力音の大きさ) ⇒ 数字が大きいほど音が大きい。  
    横軸(周波数) ⇒ 数字が大きいほど高音、数字が小さいほど低音を表す。

    (よく使うボリューム位置で測定「これでも少しやかましいくらい」)
    補聴器と集音器の違い1


    様々な大きさの入力音に対する集音器の出している音を表しているグラフです。
    下のグラフ線より順番に、
    50dB(小さめの音)の音が入ったとき、この集音器はどれくらい音を大きくしているのか?
    60dB (普通くらいの音)の音が入った時は・・・?
    70dB (ちょっと大きめの音)の音が入った時は・・・?
    80dB (大きい音)の音が入った時は・・?
    90dB (かなり大きい音)の音が入った時は・・?
      
      

    これらを周波数ごとに確認できます。

    たとえば、・食器がぶつかった時の「カチャン」は補聴器からどれくらいのレベルで出力されているのか?
          ・車が近くを通過した際、どのような音が出力されているのか?

    をグラフから読み取ることが可能ですので、ご自身の聴力測定結果と照らし合わせると集音器(補聴器)の音があっているかどうかを瞬時に判断可能です。


    それでは、先ほどのグラフにて赤の斜線部をご覧ください。

    この集音器は50dB(小さめの音)の音が入ったとき、低音はほとんど増幅されず中音~高音域で約65dBまで音を大きく、すなわち「約15dB音を大きくしていますよ」という見方をします。

    そのまま入力音圧レベルが90dB(かなり大きい音が入った時)の線をご覧ください。中音~高音域にかけて約100dBの音が出力されているのがわかります。

    100dBというレベルは本当に大きな音で、この方にとってはもの凄く「キンキンしてやかましい」音の大きさでした。

    なおかつ低音~中音域が増幅されていないことから「聞き取りが悪い」となっているのです。
    補聴器と集音器の違い2



    確かに、ボリュームを上げると「キンキンうるさい」、ボリュームを下げると「聞こえない」集音器でした。

    集音器には私たち補聴器専門家が操作できる音質制御プログラムが存在しませんので、現状の確認と分析はできても対策が打てるのはやはり補聴器のみとなります。



    補聴器のフィッティング(音調整)を開始、最終的にご満足頂けた補聴器の音がこちら。
    補聴器と集音器の違い3


    集音器のグラフとの違い、ハッキリ見えますよね?

    こういうことです。
    補聴器と集音器の違い4

    赤の点線・・集音器の音のグラフ  赤の実線・・補聴器の音のグラフ


    集音器では出せなかった低音~中音域の音を補聴器では増幅し、100dBという強大音を補聴器では出さないように設定。

    小さい音(小声)は大きく、大きい音(やかましい音)は小さく、音を圧縮することでこのお客様の聞こえの快適な幅に音を集約しています。
    結果、補聴器で「聞こえもよく、やかましいと感じることもなくなった」とのご意見を頂くことができました。



    聞こえの低下は一人一人異なるものです。
    ということは、それに対する必要な音のグラフの形(周波数特性)も一人一人異なるのは当たり前ですよね。
    補聴器を必要とする人にとっては、本当にその人に合った音が出ているのか?が重要であり、それには聴力を測定し、お困りの内容に応じた補聴器選びが必要となるのです。

    補聴器と集音器だけではなく、補聴器と補聴器でも起こりうることを考えお店を選ぶことが重要です。




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    Author : ヒロ

    これまで様々な補聴器店で勤務しましたが、今はWEB関連の仕事についています。
    過去記事はそのまま皆さんのお役に立てるはずで残しておりますので、是非補聴器選びにお使い頂ければと思っています。

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